天台宗に属し、延暦寺の別院。
仁寿年間(851~854)慈覚大師円仁(えんにん)が、入唐して学んだ梵唄(ぼんばい)(梵語の仏教歌謡)などの声明(しょうみょう)の道場として創建したもの。
声明とは、インドで始まった学問の一つで、日本では仏をたたえる歌謡や経を読む音律として広がり、仏教のほか民謡などの日本音楽にも大きな影響を及ぼした。
その後、平安時代末期に、融通念仏(ゆうづうねんぶつ)の開祖良忍(りょうにん)が再興して、円仁に始まる声明を大成した。
この声明は、魚山(ぎょざん)流と呼ばれ、以後、天台声明の根本道場として栄えた。
本堂には、藤原期の薬師・阿弥陀・釈迦三尊仏(重要文化財)を安置し、寺宝としては、伝教大師度縁案(どえんあん)並僧綱牒(そうこうちょう)など、平安時代の仏教界の貴重な資料を蔵している。
三千院に向かう階段を横目に坂道を上がって行くと左側に来迎院がある。
なだらかな上り坂。
門をくぐってもなお階段が続く。
ようやく境内
本堂の脇をさらに進むと
呂川と律川の上流にあたる音無の滝がある。