国道1号の赤沼の交差点から600mほど南に進んだところを西側に入った住宅地のなかにある寺院。
この寺も恋塚がある浄禅寺と同じ遠藤盛遠(もりとお)と袈裟御前の物語をもつ浄土宗の寺。
北面の武士、遠藤盛遠は源渡の妻、袈裟御前に恋をする。袈裟御前は、夫を亡き者にしてから自分への想いを遂げてくれと頼む。ところが夫の身代わりになって袈裟は盛遠に殺されてしまう。
詳細は芥川龍之介の「袈裟と盛遠」にこの伝説が興味深く描かれている。
自らの行為を恥じた盛遠は、出家して文覚と名のり、袈裟を弔うためにこの寺を建てた。
本堂には、袈裟御前、文覚、源渡の像が安置されている。
訪れるときに目印にしていた赤沼という交差点の地名は、以前ここにあった池で盛遠が袈裟の首を洗ったら水が赤く染まり、赤沼と呼ばれるようになったと伝わる。