天台宗の門跡寺院。五箇室門跡の一つ。
竹ノ内門跡。
最澄が比叡山に建立した一堂に始まり、1656年(明暦2)良尚法親王のとき、現在地に移る。
明治初期までは北野天満宮の管理職(別当)も兼務していた。
大書院、小書院、八窓軒茶室、庫裏は重文。
枯山水の庭園(名勝)。
国宝の不動明王(黄不動)は三不動の一つ。
内部の襖絵は主に狩野探幽筆だが、他に狩野永徳筆竹虎図(重文)など。
鶴島には樹齢400年といわれる五葉の松があり、鶴をかたどっている。
その根元には曼殊院型のキリシタン灯篭がある。
公家風で趣味豊かだった良尚親王の好みが反映されている。
秋は紅葉で朱に染まり、5月は霧島ツツジが見事である。
梟(ふくろう)の手水鉢
小書院の縁先に名高い「梟の手水鉢」がある。
しかし手水鉢として使うわけではない。秋の名月の頃に月の光をこの手水鉢に反射させ、部屋の天井や壁に月を取り込むという趣向。
そのため手水鉢は少し傾けられている。
下の台石は亀、傍の石は鶴をかたどっている。