もと天台宗寺門派の門跡寺院。
寛喜元年(1229)、静基(じょうき)僧正の開基。
寛永年間、足利義昭の孫に当たる義尊が入寺。
その後、後西天皇の皇子義延親王が入寺。以来、宮門跡が続いた。
客殿・御車寄など、東山天皇の后、承秋門院の薨去に際し、大宮御所の建物を賜ったもので、現存する数少ない女院御所といわれている。
寺宝には、後陽成天皇宸翰(しんかん)「仮名文字遣」(重要文化財)、後水尾天皇宸翰「忍」他、狩野永敬をはじめとする狩野派による襖絵を多数蔵する。
秋の七草のひとつ藤袴。
心の庭
実相院の客殿修復へ向けた再生プロジェクトとして発足。
客殿前の石庭を「こころのお庭」と命名し、大改修を進めている。
改修は、江戸時代から作庭を手掛けてきた「植治」小川勝章氏の全面協力によって進められ、市民参加型のワークショップなどを開催しながら、2014年秋の完成を目ざしている。
裏山を背にした池泉式庭園と表の石庭は趣を全く異とする。
その2つをむすぶ通路のかえでが室内に映りこむ様子は「床もみじ」「床みどり」と呼ばれている。